充実したとてもよい一年でした。
2018年まで残り13日。
「アイデアに価値はない」
というタイトルで始まりましたが、
4年前、2013年に出会ったこちらの本の中の一節です。
スクエアラインに入社する前はとにかくクリエイティブなことに飢えていて、
アイデア本やデザイン、コミュニーケーションの活性化とか、そういったジャンルの情報をとにかく読み漁っていました。
充実した一年と感じたのは、
初めて情報のインプット量よりも
情報のアウトプット量の方が多かったなぁと感じたからかも知れません。
アイデアというのはわりと思いつくんです。
いつもと少しだけ違う刺激を自分に与えれば、閃くものなんだと思います。
仕事の中で
「もっとあーすれば良いのに、どうしてこの会社はそれをしないんだろう」
「こっちの方がいい方法なのに、なんでここの人たちは気づかないのかな」
という呟きを心の中ですることはわりと誰にでもあるんじゃないかと思います。
もしくは、
心の中でなく、実際に他人に面と向かって言っている方もいると思います。
それは「アイデアがある」ということ。
他人が気づいていない点で、自分が見えていることがあるというのはとても素晴らしいことです。
でもそれだけでは「価値はない」のです。
大事なのは、
そのアイデアを周りの人が共感して、
一緒に実行に移してくれることです。
このグラスのエピソードはそのヒントの一つです。
私の結婚式のときの引出物です。
私の名前は「Masato」ですので、グラスの「Masayuki」「Ayako」は私と妻の名前ではありません。
こういった引出物は新婚夫婦の名が刻印されたものを引出物としてお渡しすることが通常だと思います。
しかし、このグラスはもらった後もずーっと使ってもらえるように、参加者本人の名前が書いてあります。
確かに他人の夫婦の名前が書いてあるグラスを日常生活で使いたくないですよね。
このグラスとの出会いは
「自分のプレゼントした物が、その人の生活シーンに置かれたときにどう映るか」という視点を教えてくれました。
つまり、
「アイデアに価値がない」というのは、
アイデアを受け取った他人が
「これはいい!」
と思うものでなければ、
それ以上発展することなく、アイデアだけで終わってしまうから「価値」にならないのです。
このグラスは私自身、
「これはいい!」と思って、
当時すでに決めていた引出物のカタログギフトをキャンセルしてこちらに乗り換えました。
「なんでギリギリになって言うの?」と、普段は優しい妻からは怒られましたが、
「自分が参加者に届けたいのはこのグラスだ!!」と初めて譲りませんでした(笑)
いい話なんですけど、妻と出会って初めての大ケンカはこの「引出物ギリギリで交換事件」でした。
妻とケンカするほど譲れなかったグラス、受け取った参加者は現在どう生活の中で扱っているのか気になって問い合わせました。
そうしたら今も、この画像のようにレイアウトして自宅で飾ってくれてたのです。
ひょっとしたら画像を送ってくれるときにキレイに飾って撮影してくれたのかも知れませんが(笑)
まだ持っている。
これだけでも十分にありがたいことです。
相手の名前を刻印するアイデアはもちろん私のアイデアではありません。
これを製作・販売している会社グラスアートコグレさんのアイデアです。
どんな作品なのかを見たくて川崎市のアトリエを訪ねたら、オーナーのコグレさんが熱量の多い方で(笑)
「このグラスはなぜ相手の名前なのか」
「どのように結婚式で渡したらいいのか」
「どのように式場のスタッフにこれを置いてもらうよう説得すればいいのか」
全部プレゼンテーションしてくれました(笑)
「ちょっとこれは、ただ物を売ってるのと違うな」と。
そのグラスに対する想いや熱量が伝わってきて、共感しました。
実際にコグレさんの事前アドバイスの通り、
式場のスタッフさんは名前入りのグラスを置くことに最初否定的でした。
「間違えて置くリスク」と
「一つ一つ箱の中身を確認する手間」
が式場側にはあったからです。
ただそういったリスクに対しても
①あらかじめ席順通りにグラスを取り出せるように梱包すること
②箱の外側に参加者の名前のラベルをコグレさん側が貼って納品すること
など、式場側が「それならOK」と言ってくれるラインまで先読みする用意周到ぶりなのです。
「これが仕事か」と、
その段取りのプロフェッショナルぶりにただただ感銘を受けました。
おそらく、コグレさんも自分の想いをお客さんに届けるまでに色んな葛藤をしてきたと思います。
私がコグレさんと出会ったときはすでにノウハウが確立してすべてスムーズでしたが、
絶対にそこに至るまでに多くの失敗や苦い想いをしてるはずなんです。
私もそういう人を感動させるアイデア、仕事に憧れて、
あれやこれやチャレンジしてきたけど、
人に「届いた」と実感出来るものはほとんどありませんでした。
それが今年は
「少しは届いたのかな?」と感じられるお仕事が、本当にほんの少しだけですけど、出来た気がします。
スクエアラインがそういったチャレンジをさせてくれる会社なんです。
もっともっと「届けたい!」という想いで、アイデアをたくさん実現して運ぶ2018年にしていきたいと思います。
営業 / 佐藤