派遣先では現場責任者の指示に従ってください
派遣経験のある方なら聞いたことがあると思います。
また聞いたことがなくても、初めて働く現場において現場責任者の指示を仰いで行動するものだという共通認識を持っていらっしゃると思います。
もちろん、それは正解です。
初めて働く職場で、自分勝手な判断で動いてしまっては、大きな怪我や事故、トラブルや苦情につながります。
いかに過去の職歴の中で似たような業務経験があったとしても、職場ごとに勝手が違うわけですから、その職場ごとのルールや手順に従うことが基本です。
しかし、
基本通り行動していたにも関わらず、
現場責任者から十分な指示が降りてこなかったり、
指示がないため理解できず、
何をしていいか戸惑っている自分を見てイライラされた。
こんな経験はないでしょうか?
「物覚えがわるい」
「自分から積極的に動かない」
という評価を現場からされているかも知れません。
しかし、
派遣スタッフからしたらこれほど理不尽なことはないでしょう。
「覚えが悪いもなにも指示がない」
「積極的に動けもなにも、”現場の指示に従って”と言われている」
このような矛盾がよく起こります。
実は、初めて派遣スタッフを依頼して下さる企業様の多くは、
長いこと「ベテラン」や「不動のポジションの方」に頼っていた傾向があり、
ベテラン社員が新人を「教育する」というスキルが積まれていないケースが多いのです。
ベテラン社員は新人を教育することに関しては初心者であるにも関わらず、
「経験豊富なベテランだから大丈夫だろう」
と思われてしまっているので、
「今日から(明日から)新しく派遣スタッフが入るから現場で教育よろしく頼む」
と、十分な段取りもなく「名前しか知らされていない派遣スタッフ」を現場に放り込まれている場合があります。
そのような場合、現場の責任者も戸惑っているのです。
頭の中が整理されない状態で
「普段の通常業務」と
「ぶっつけ本番の新人教育」
の二重業務にキャパオーバーになっているため、荒っぽい言葉を派遣スタッフにぶつけてしまうことがあるのです。
「通常業務をしながら新人に指導することの難しさ」
ここに気づかなければいけません。
「新人教育」は通常業務の延長でなく、通常業務とは別モノ。
「教育」というスキルです。
だからといって、
学校の教員のように専門の勉強やトレーニングをしてこないと成しえないものかと言えば、そんなこともありません。
最低限、新しいスタッフを受け入れるための「段取り」をしておくことです。
一日の流れをある程度想定して運営側と現場側で共有し、
「通常業務」と「教育指導」のバランスをどのように配分していくか、事前の打ち合わせをしておくことです。
完璧でなくていいのです。
ただ一日一日うまく指導できたかどうか振り返ることが大事です。
私自身が担当している現場では、現場のリーダー的な存在の方が、新人の派遣スタッフを何十年やっていたベテランと同じレベルで見てしまい、プレッシャーをかけ過ぎて退職に追いやってしまった事件がありました。
当時のスタッフさんたちには申し訳ないのですが、
その失敗経験を教訓にして、
その後改善された派遣先もたくさんあります。
現場の意識が変わるだけで派遣スタッフは見違えるように活躍するのです。
だから私たちも
「人材を紹介すること」だけでなく、
「派遣スタッフが活躍するためのアドバイス」を僭越ながらさせていただくこともあります。
「なぜ退職してしまったのか」、スタッフ本人からヒヤリングした内容を率直に伝えることで、改善すべきポイントを見つけて、企業様と一緒に問題解決しています。
これにより「従業員が定着するようになった」いう現場は少なくありません。
営業 /佐藤