最初はそれほどでもなかったのに、徐々に気になってくるということはありませんか
皆さまお疲れ様です。
スクエアライン、金曜日ブログ担当の梅田敬子でございます。
スクエアライン岩槻オフィスの近くに婦人服店があります。店頭にはいつも美しいドレスがディスプレイされており目を引きます。
美しいドレスを着る機会などなくとも私もやはり女性なのですね。毎日婦人服店の横を通るごとに店内を覗いてしまいます。
ある時、婦人服店のディスプレイに、一風変わった帽子を見つけました。ビーズとスパンコールで編まれたもので、もしかしたらクレオパトラが生きていた頃普段用につけていたんじゃないかなあ…。と思えるようなデザインです。
赤と白のキラキラ光るビーズとゴールドのスパンコールがあしらわれたその帽子。もしも美しいクレオパトラがかぶれば歩く度に揺れて輝き彼女の魅力を引き立てることでしょう。
「まあキレイだけど一体こんな帽子誰が買うんだろう?そしてどこでかぶるんだろう?」
その時はそんな風に思い通りすぎただけだったのですが、毎日毎日婦人服店の横を通っていると段々どんどんその帽子が気になってきました。
そして私は初めてその婦人服店に入り、店長さんとおぼしき女性に尋ねました。
「あの、外にディスプレイしてある帽子はおいくらですか?」
「外の?帽子?」
「あの…、クレオパトラっぽいやつです…。」
「おほほ!クレオパトラ!あれ!ああーごめんなさいね…。あれはディスプレイ用なの…。」
「売り物じゃないんですね…。」
「あら、欲しかった?欲しかったら聞いてみてあげようか?あなたそこの会社の人でしょ?」
「(はっ、面割れしてた)あ、そうです。そこの会社の者です…。いや欲しいというか、いくらくらいするのか気になって…。聞いてみたんです。」
「あらそうなの?」
「買っても…。考えたら私にはかぶって行く所がないんです…。すいません。それなのに…。いくらくらいするのか知りたかったんです…。」
「おほほ。あらーそうなのね。良かったらまた寄って見ていってね。」
「はい、また来ます!」
本当は私はクレオパトラの帽子が欲しかったのかも知れません。安かったらその場で買っていたかも知れません。
たぶん買っても本当にどこにも着けて出掛けることは無いでしょう。
だけどあのクレオパトラの帽子を必要とする誰かがいて、それを作ることを生業としている人がいらっしゃるのです。
あの帽子を作った方の思いや魂が私の心に届き、必要じゃないけどただ欲しい…。という気持ちを私の心に沸き上がらせたのです。
必需品ではないものにお金を払わせることは至難の技。魂を込めればその想いは人に伝わるのだという好例ではないでしょうか。
自宅に帰り、ネットで調べたら似たようなビーズの帽子は1980円からありましたが、いかんせん美しさや品格が段違いでした。
あのクレオパトラの帽子はたぶん5桁以上するのではないか…。
私はそう推測しております。